今回は、6人初心者局で、自分が「狩人」を引いた場合について、基本的な戦術を説明していきます。
まず6人局の狩人のミッションとして意識したいのは:
- 占い真偽の見極め、噛み位置予測
- 自分が狩人であることを狼に悟られない
- 2日目が始まると同時にチャットCOする準備
基本的に1日目の過ごし方は村人と変わりません。ただし、自分が狩人であることを悟られたり、COしたりするのは基本的にしません。
狩人は他の人を狼の襲撃から護衛できますが、自分は護衛できません。なので自分が狩人であるということを悟られると、村が負ける率が高まります。真占いが吊られた場合、狩人を噛んでゲームセットだからです。狩人が透けてしまえば噛まれるだけで、狩人としての仕事ができませんからね。
1日目の夜
1日目の昼は村人と同じですので、夜になってからの説明をしていきます。だれを護衛先に指定するか、これが悩みどころです。
護衛先の選択
どこを狼が噛んでくるか、どこを噛まれたら村として困るかをベースに考えていきます。噛まれては困る場所があれば、そこを守るのが無難です。変に読みを重ねて、一番噛まれたくないところを噛まれて村が窮地になることだけは、避けねばなりません。
真占いがほぼ確定している場合
初日に吊られた占い師が破綻発言をしていたなど、村目線で残っている占い師の真が確定している場合、真占い師を護衛するのが最善です。これが実はニセ占い師でした、ということであればもう村負けですが、村の総意でだまされたのであればもうこれは仕方がないですよね。
例えば、6番が真占い師で初日4番白だし、3番ニセ占い師は初日に吊られて、初日の夜に白を出されている4番が噛まれ、2日の朝に6番の占い師が3番に白だしした盤面を考えます(図1)。1番の自分は狩人で、初日の夜は6番を守りました。
人狼側としても6番が真占いであることは分かっていて、噛めるものなら噛みたいところですが、狩人が6番を守る可能性が高いことから真置きされている占い師から白を出された4番を噛んだわけです。
ここで6番の占い師は真置きしていますから、3番は白とみます。となると1番目線は5番黒確定なわけですが、問題は3番と6番目線では1番と5番の真偽がつかないというところです。
そこでまず狩人としては最速で「狩人CO、6守り」というチャットを打ちます。夜の間から用意しておくとよいでしょう。
(もちろん「チャットCOあり」のルールのときに限ります。ゲーム開始前にルームマスターのルール説明をよく聞いておきましょう。チャットCOなしであれば、自分の発言順のときにCOすればOKです。)
このとき5番の狼側も最速で狩人COをしてくる可能性がありますが、若干躊躇する部分があり、夜からチャットCOを用意して送信ボタン連打、というのはやりづらい部分があります。
というのも、1番が狩人の場合は狩人COが有効ですが、6番の占い先の3番が狩人であった場合、うっかり狩人COしてしまうとまずいことになります。3番は占い結果が出た時点で確定白扱いですので、この3番から狩りCOされたら5番は村目線人狼確定になってしまうからです。
逆に3番が狩人だった場合、5番が狩人COしなければ1番と5番で2分の1の勝負に持ち込めます。
つまりは5番の人狼としては占い結果と狩人COをみてから判断したい部分があり、素早くチャットすることには躊躇する部分があります。
その違いを出すためにも最速でチャットCOする準備をします。この場面の破綻リスクの有無が真狩人とニセ狩人の違いになりますからね。
初日の占い師の真偽が付かなかった場合
初日占い師の真偽が付かなかった場合、占い師を護衛せずにグレー位置を守るのは一つの手です。とりあえず3番を護衛した場合を考えます。結果、6番が噛まれたとします。
6番の占い師が噛まれた場合、6番を真とみるのが普通です。この場面で狼側が自噛みするメリットは狼側にありません。
となると1日目の6番の白出し先の4番が確定白。あとは3番と5番の真偽をつける必要があります。
ここでも最速で「狩りCO、3守り」とチャットCOしたうえで、対抗がでるならそちらが人狼、出ないなら3番、5番の発言精査をしていく必要があります。
ここではもう発言精査にかかっていますが、2番がニセ占いと置いた場合のラインを中心に落ち着てい考察すると正解が見えてくるケースが多いかと思います。
2日目の昼・狩人を誘いだす展開
初日、真占いの6番が1番に白出し、1番が狩人潜伏、2番のニセ占い師が吊られた盤面を考えます。
ここで2番の占い師の遺言が白くて「あれ?もしかして真占い師を吊ってしまったかな」と思い、6番を守らないで3番を守ることにしてみました。
そうしたら6番を噛まれてしまいました!狩人何やってるの!と言われる場面になってしまいました。
村がピンチになるのがこのケースですね。この時点でやっと6番が真占いだと分かりました。6番が狼で自噛みした、というのは狼利がなく、その可能性は追えません。
6番が真だと初日の白出し先の1番は村目線で白確定。そうなると1番が狩人COしたところで情報が増えず、3、4、5の3人から1狼を見つける必要がでてきます。
つまり村が負ける確率が6割6分と、かなり分が悪くなっていますね。
まず自分に初日白が出ている場合は最速での狩りCOはせず「狩人がいたら出てほしい」と村人に促してみるのが一つの手です。一人残った人狼側としては狩人COを常に考えていますので、出てくる場合があります。この場合、もし出てきたらそこが黒確定ですね。
もし誘い出されて出てこられたら「自分が真の狩人です」とCOします。そして自分が真狩人であることを説明します。「6番が噛まれているので6番を真と置いた場合、初日自分に白出し、その自分が狩りCOしているので信じてほしい。対抗が黒確定です。」という説明で黒を落とせます。
2日目・狩人GJが起きた場合
占い師を護衛してGJ
たとえば6番の占い師を護衛し、GJが起きた場合を考えます。6番が噛まれたとみて真占い師である可能性が高いと考えられます。
そして例えば初日1番白、2日目に3番白と出ていたとします。この盤面、5人残しですので村はあと2回吊れます。ここで6番が真であった場合、1番3番が村目線白確定ですから、4番と5番を吊りきって村の勝ちになります。
少しこれを丁寧にみていくと、仮に2日目の議論のあと4番を吊った盤面を示します。この日の夜は占い師が噛まれるでしょう。連続ガードができませんので、昨日6番を護衛していた狩人は、この日6番を守れません。
ここで真占い師は噛まれてしまいましたが、すでに5番黒が確定していますので問題ありません。5番を吊って終わりです。
狼側としては初日に1狼吊られた上に狩人GJを出されて素直に進行しては絶望です。なので狼陣営としては狩人COするなど、盤面を荒しに行くしかありません。村側は惑わされずに淡々と詰めて行けばよいです。
占い師以外を護衛してGJ
占い師以外を護衛した場合で、GJが起きた場合はどう判断するか考えていきます。占い師の6番が初日1番に白出し、2日目は4番に白出し。狩人は3番を護衛して誰も死ななかった、という盤面を仮定します。
占いの真偽がつかなかったり、2番をニセと疑って吊ったものの、遺言から白かった、あるいは投票行動からどうも真占い師を吊った感触があったケースですね。ニセ占い師を護衛してしまっては占い以外の村人が噛まれて終了ですから、狩人は果敢に狼の噛み先を予想します。
このとき占い以外を護衛してGJが出た場合を考えます。たとえば3番を護衛してGJが出ているケースです。
今度は6番が相当疑わしい状態です。もし真占い師であれば噛まれることが濃厚ですよね。しかし噛まれていません。ただ、6番の真偽がつけられないとしても、下記の2通りの可能性しかありません:
- 2番が真占い、6番が人狼
- 2番が人狼、6番が真占い
もし仮に、2番が真占い師であった場合、もう一人村人を吊れば負け確定で即ゲーム終了です。ですのでこの盤面で確実に次の朝を迎えるためには6番吊りの1択です。2番と6番の両方を吊っておけば、1狼は確実に落ちますからね。
盤面だけでは真偽がつけられないところですので発言を精査しますが、村としてはなるべく考察時間を多くとる方が基本有利になります。
6番の発言や真目の変化には注意を払いつつも6番吊りでいきます。護衛されたところから3番は真に見えますね。この辺りも参考にします。「狩人CO、3守り」と言っておいて、村に考察の材料をしっかり落としておくとよいでしょう。
下図は6番を安定進行で吊って、その夜1番が噛まれた盤面です。狩人COしていますから、人狼は狩人を噛んでくる可能性が高いでしょう。3人残すより4人の方がよい場合もありますので、噛みなしの選択肢もあります。
この3日目の盤面、3番は2日目に護衛されていてGJですので真目高く、4と5の真偽決め打ちになります。
6番のニセが濃厚ですから、6番が2日目に4番に白をだしていることから、4番が怪しめに見えますよね。あとはこれら情報に加えて、今までの発言を振り返って決めていきます。
初日真占いを吊ってしまって絶望、という局面から狩人GJによって勝ち負けが2分の1の確率まで持ってこられたので狩人としてまずまずの
成果でしょう。
狼が噛んでくる位置
狼の噛み位置を予想するために、狼が噛みたくなる位置を考えておきます。
考察が伸びていている人
狼にとって、考察がしっかりしている人やすでに狼を適切な考察で言い当てているひとは、最も邪魔な存在です。ただ素直に噛んでしまうと、その人の考察の真目がさらに上がってしまう部分もありますので、そこは悩ましいところです。
ただ経験上、実際は一番守られないであろうところを噛みに行くことが多いようです。村目線の最白位置は護衛されそうでなかなか噛みに行けない心理はありますね。
狩人が透けている位置
狩人が狼に見透かされていると、そこを噛んでくる可能性は濃厚です。これが狼に正確に当てられていると、狩人としては自分を護衛できないので大ピンチです。
例えば2人の素村が「狩人さんには護衛がんばってほしい」など、自分があたかも狩人ではない発言をしてしまった場合、狩人位置が明確に狼目線では分かってしまいます。
例えば下図の盤面、2番が占い師CO、3番と4番が素村を透かす発言をした場合を考えます。
村陣営の目線としては、狩人位置は分からないかもしれませんが、狼側はだれが狼であるか知っていることに注意してください。2人が素村であると分かれば、狩人位置は確定します。1人が素村を透かしただけで2分の1の確率で狩人位置をあてられます。
こうなっては相当ピンチですので、狩人としては1日目の2周目で狩人位置が透けたと判断した場合、「狩人さんは出た方がいいんじゃないですか?」とすっとぼけて自分も素村アピールする、という手はありますね。
こういう発言をすると「狩人をあぶりだそうとしている」と黒くみられるかもしれませんが、6人村では初日は占い真偽ですので狩人としては黒くみられるくらいが丁度よいかもしれません。吊られることはまずありませんし、黒いと思われたら噛まれにくいので。ただ黒くなりすぎると、2日目に狩りCOしたときに信じてもらえなくなる可能性が残りますが。
まとめ
6人局では、1日目の昼夜の攻防は真占い師と、占い出た狼の2人がバチバチ殴り合う形で目立ちます。しかし勝敗の着地点は1日目夜から2日目にかけての真狩人と狩人騙りするもう1人の狼の闘いで決まる場合も多いです。
なので6人局だと結構決定的な仕事ができる可能性のある役職ですね。護衛は簡単ではないですが、噛まれない上に護衛してみせる!というのを目標に1日目からあれこれ読み合いの攻防を楽しむ姿勢でいくと、狩人が楽しくなってきます。